世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


グレンタレット 28年  28  46.5%

  • 蒸溜所名: グレンタレット蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • ブランド: エドリントングループ
  • 価格帯: £180plus
  • 入手可能場所: イギリス
  • 掲載号:129

クリス・グッドラムSCORE8.6

香り
土っぽく、軽やかに香る成熟した大麦。マジパンと焼いたトフィーの匂いも少しある。やや酸化したフルーツやクリーミーなバニラが立ち上がり、杉やハーブの香りも伴っている。
最初は少し柑橘のような酸味があるが、熟れた大麦の砂糖漬けや、麦わらの風味がバランスをとっている。繊細でエレガント。わずかにオイリーなマジパン、草、舌をチクチクと刺激するスパイスの感触がある。
フィニッシュ
良好なミネラルを感じさせるフィニッシュ。バニラと大麦の風味が留まって、後からモカやダークトフィーの香りもある。
コメント
冒頭から熟成の深さは明らかだが、父なる時間によって完全に手なづけられたわけではない。柑橘系の風味が、ウイスキーに素晴らしい活力を与えている。

ジョエル・ハリスンSCORE9.5

香り
ウイスキーの専門家でなくとも、これが極めて優れた古いウイスキーだということはわかるだろう。飲まなくとも、ただ匂いをかぐだけで明らかだ。並外れて好ましく熟成されたこのウイスキーは、熱帯のフルーツ、アップサイドダウンケーキ、サンダルウッド、バラの花びら、デリケートでフレッシュなバニラの香りを放っている。
オーク熟成の年月から授かったさまざまな風味を解き明かすには、じっくりと味わう必要がある。だがどの風味の要素も非常に繊細だ。最初はそんなに強くない(バニラ、麦のスパイス)が、しばらく口に含んで7秒ほど経つと風味が爆発する。焼きバナナ、パッションフルーツ、マンゴー、炭塵、アンティーク家具の塗装。バランスが極めて良好で、複雑だ。
フィニッシュ
上記の熱帯フルーツの風味がすべてあり、さらにシナモンをまぶしたような後味。
コメント
並外れたウイスキーづくりの産物。大麦と水とイースト菌から生まれたシンプルな酒が、年月とオークによって洗練を極めた素晴らしい一例。